【資格再開】整備不良は「青切符」以前の問題。なぜ今、公道に「自転車販売士」が必要なのか?|JBRA

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はじめに:ルールの厳格化と、置き去りにされる「車体の安全性」

今年4月に導入された「青切符(交通反則通告制度)」以降、世間の関心は「どのような走行ルールが違反になるのか」という点に集中しています。

しかし、交通安全を議論する上で、ルール遵守以上に根本的で恐ろしいリスクが置き去りにされています。
それが「自転車車体の整備不良」です。

どれだけ乗り手がルールを遵守していても、ブレーキが利かない、ワイヤーが切れる、あるいはネジが緩んで車輪がロックすれば、一瞬で不可避の重大事故が発生します。

当協会(JBRA)が、長らく募集を停止していた「自転車販売士」の資格募集・更新をいよいよ再開するのは、この「物理的な事故リスク」を水際で防ぐ専門家が今こそ公道に不可欠だからです。

自転車はプラモデルではない。約60のパーツが命を載せる「工業製品」

近年、スポーツ自転車を中心に自転車店を経由しない購入スタイルが増加しています。
その多くはEC(ネット通販)をはじめ、個人間売買(オークション等)や中古車売買です。

現在の流通経路の多様化それ自体を否定するものではありません。しかし、自転車という乗り物には決定的な懸念材料が存在します。

それが、「その自転車は、適正な組み立て・調整がされているか?」という点です。

実は、自転車は実際に走り出すまで、その安全性能や整備状態を一般の人が見抜く手段がほとんどありません。
知識を持ったプロの技術者であれば、簡単な点検で「走らせて良い状態か」の整備基準を的確に判定できます。しかし、乗り手の多くは「自転車として形になっているから大丈夫」という根拠のない安心感から、未整備のまま公道へ乗り出してしまうのが現状です。

勘違いされがちですが、自転車は部屋に飾って鑑賞するためのプラモデルではありません。約60個以上の精密なパーツが組み合わさり、人間の命を乗せて走る「工業製品(車両)」です。

専門的な構造知識と確かな整備技術を持たない人間が組み立てた車両や、点検を怠った車両は、乗り手本人の大怪我はもちろん、歩行者を巻き込む致命的な加害事故を引き起こします。整備不良のまま走ることは、青切符で反則金を払う以前の「命に関わる不始末」なのです。

「販売員」にとどまらない。自転車を使ったあらゆるサービス事業者の盾に

当協会が認定する「自転車販売士」は、単に自転車店で接客・販売をするスタッフだけを対象にしているわけではありません。

  • 自転車の出張修理・整備事業者
  • フードデリバリーや配送等の自転車運用事業者
  • 身体的ハンディキャップを持つ方向けのモビリティサービス事業者

このように、「自転車サービスを提供するすべてのプロフェッショナル」に門戸を広げています。

「自転車販売士」は、お客様の利用環境に合わせた適切な車種の選定、安全基準の厳格なチェック、そして納車時の正しい扱い方の指導までを担う「公道の安全を守る診断士」です。

販売現場でなくても、正しい構造知識や日常点検のノウハウを持つことは、事故を防ぎ、事業者や従事者ご自身の命と信頼を守る強力な「盾」になります。確かな知識を持つプロが関わること自体が、店舗や事業者の社会的信頼(ブランディング)を決定づけるのです。

おわりに:理想をかたちにする「教育システム(LMS)」の提供へ

今回、資格の再開にあたって時間を要したのは、単に認定証を発行するだけの形骸化した資格にするのではなく、受講者がいつでも最新の知識と技術を学べる「教育システム(LMS)」を本格構築していたからです。

コロナ禍以前、当協会でも会場をお借りした対面形式で講習を行っていました。しかし、オンライン化の波を受け、当協会は自転車関連の公的資格の中でも先陣を切ってオンライン学習(LMS)への転換を決断しました。

目的は明確です。毎日現場で忙しく働く受講者の貴重な時間を奪わないこと。
そして、全国から首都圏等へ移動する金銭的・身体的負担を最小限に抑えることです。

もちろん、オンラインだけで完結させるのではなく、今後はディスカッションや実技の場となる集合講座も開催してまいります。
オンラインの利便性とオフラインの密度を掛け合わせた「ハイブリッド型の人材育成」こそが、当協会の目指す新しい資格教育のカタチです。

制度や法律(ハード)だけが先行しても、現場で人に寄り添い、正しく導く「プロフェッショナル(ソフト)」がいなければ、公道の安全は決して保たれません。

当協会は「自転車販売士」の募集再開を通じて、現場で活躍する技術者の皆様と共に、知的で安全な公道環境を構築してまいります。

資格の募集要項や認定カリキュラムの詳細につきましては、順次当サイトおよび公式noteにて公開してまいります。

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