はじめに:ルールが増えても、公道は自動的に安全にならない
自転車の改正道路交通法(青切符・反則金制度)が施行され、ヘルメットの着用努力義務や各種ルールの厳格化が叫ばれています。
しかし、どれだけルールや罰則が厳しくなろうと、街を走る自転車の安全が自動的に保たれるわけではありません。なぜなら、ルールを理解して正しく車体を整備し、乗る人に「正しい知識」を伝える【指導者(人)】が公道に足りていないからです。
当協会(JBRA)が「自転車販売士」および「自転車安全アドバイザー」という資格制度を推進しているのは、単なる業界の肩書作りではありません。複雑化する大チャリ時代において、ユーザーと企業を守る「現場のプロ」が不可欠だからです。
「自転車販売士」:店舗のスタッフだけではない、公道の安全を守るプロ
現在、公道を走る自転車は電動アシスト車の普及や車体の高重量化により、ひとたび整備不良を起こせば大事故に繋がるリスクが高まっています。
「自転車販売士」は、単に自転車を販売する現場スタッフではありません。
お客様の利用環境に合わせた適切な車種の選定、車体の安全基準のチェック、そして納車時の正しい取り扱い指導までを担う、いわば「公道の安全を水際で守る診断士」です。
そして実は、この「自転車販売士」が対象としているのは、一般的な自転車店の従事者だけではありません。
自転車修理業をはじめ、デリバリー事業者、さらには身体的ハンディキャップを持つ方向けのモビリティサービスに携わる方々まで、「自転車を使ったサービスを提供するすべての人」に門戸を広げています。
ネット通販で買った未整備の車両が溢れる今だからこそ、現場で対面し、確かな技術と知識を提供するプロの存在が、社会の安全と事業者の信頼(ブランディング)そのものになります。
「自転車安全アドバイザー」:企業防衛から地域コミュニティ(B2C)の安全まで
一方、青切符時代を迎えた企業や地域社会で急務となっているのが「交通安全教育のプロ」です。
「自転車安全アドバイザー」は、単に「ルールを守りましょう」と教えるお節介役ではありません。
- どのような運転が「青切符(反則金)」の対象になるのか
- 企業の自転車通勤における連座リスクと安全配慮義務
- 事故を防ぐための実用的な走行マナー
これらを論理的かつ分かりやすく指導できる専門人材です。企業の総務担当者や安全運転管理者と連携し、組織全体のコンプライアンス(法令遵守)と従業員の命を守る強力なアドバイザーとして機能します。
さらに、活躍の場は企業(B2B)だけではありません。地域住民(B2C)と共に「自転車の真の交通安全」を考えるコミュニティを促進する役割も担います。
実は、自転車の交通事故リスクは身近な通学路や交差点に数多く潜んでいます。当協会では、アドバイザーを通じて「地域固有の自転車ハザードマップ」の作り方などを伝授し、従来の体験型イベントや自転車教室では知ることができなかった「生きた交通安全の基礎知識」を学んでいただく環境を提供していきます。
おわりに:理想をかたちにする「教育システム」の構築へ
どれだけ素晴らしい法律(制度)ができても、それを取り扱う「人間」の知性が追いつかなければ、現場のカオスは変わりません。
機械的な取り締まりやイベントで終わらせるのではなく、現場で人に寄り添い、正しく導く「自転車販売士」と「自転車安全アドバイザー」。このプロフェッショナルたちが全国でしっかり学び、活躍できるための「教育システム(LMS)」を創り上げることこそが、当協会と私の使命です。
当協会は、これからも現場で活躍する皆様と共に、知的で安全な公道環境を作ってまいります。


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